カメラは別の世界とつながるための道具

私とカメラ
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私にとってカメラを持って出かけ写真を撮るとはどういうことだろう。カメラを始めてから5年ほどたった今、改めて考えまとめてみた。

素敵なものがあったらからとりあえず撮っておく。

感動を忘れないように記録に残す。

写真作品を作るために撮る。

いろいろあると思うが、私はカメラを通して別の世界と繋がるために撮っているという感覚。

30代後半に突入し、仕事は忙しくなるばかり。家庭を円満にするためには子育てと家事を父親がどれだけこなせるかが鍵だと思っている。

せっせと働き、家に帰えると妻のサポート。(共働きなので欠かせない)寝る前に明日のタスクを確認。私の1日はあっと言う間に終わる。仕事は嫌いなわけではなく、子供たちと遊んだり家事を手伝ったりするのがめちゃくちゃストレスというわけでもない。

ただ、こんなことをしているうちに1週間という時間はあっという間にすぎ去り、サザエさんが映るテレビを見て時の流れの速さに気づく。気づけば四季を意識することもなく1年があっと言う間にすぎていく。

そんな現実のスピードを緩めてくれる物、それが私にとってはカメラなのである。

月火水木の朝はスキルアップだったり、仕事のタスクをこなすために使う。その代わり金土日の朝は好きなことをしてもいいと決めた。

幼少期はど田舎で育ったこともあり、私は自然と触れ合うのが大好きだ。

今現在、唯一自分の好きなことができるのは早朝の時間帯。まだ暗い時間帯にカメラを持って自然が豊富な場所へと車を走らせる。

私の場合、カメラを楽しむリミットは朝の6時半ぐらい。妻とはお互い土日も仕事があるため、休日を一緒に取れることは少ない。子どもたちはまだ小さいので留守番をさせるわけにもいかず、妻が家を出る朝7時半ぐらいまでには帰宅したいのだ。

日が長くなる6月〜8月ぐらいにかけてはチャンス到来とばかりにわくわくする。

この時期は早朝4時ぐらいになるとうっすら陽の光が入ってくる。写真を撮るにはちょうどいい光の時間帯。早起きさえすれば自然の中を2時間ぐらいは散策し、カメラを楽しむことができるのだ。

カメラは、何だっていい。画質とかはあまり気にならない。

依頼されて撮り、その対価として報酬をもらっているならまた別の話。逃すことのできない一瞬を撮影する必要があるし失敗も最小限に抑えなければならない。そのため、撮影環境の悪さを補ってくれたり最高のパフォーマンスを引き出してくれる最新のカメラが必要だと思う。

ただ、私の写真撮影にそれは必要なさそうだ。今撮っている写真は自分のために撮っている。そう、非日常的な別の世界と繋がるため。自分で満足できればそれでいいと思っている。

今持っているのは、フルサイズ機のSONYα7、APS-C機のSONYα6000。今のところこれらに不満はない。寒いところでのバッテリー持ちの悪さ以外には。

心が動いた瞬間、自然が作るアートな一面が見つかったらその時がくる。

構図を決めて、ファインダーを覗きこんでじっくりと時間をかけてピントを合わせる。何も考えずピント合わせだけに集中する。この時おそらく瞑想状態になっていると思う。時間は水量の少ない沢のようにゆったりと過ぎていく。

誰もいない、小鳥のさえずりが聞こえるだけの空間にシャッタータイマーの音とシャッター音が響く。

非日常的な別の世界と繋がることができたと感じた瞬間、心に絡みついたノイズがゆっくりと解けて消えていくような感覚になる。私の脳内キャッシュをクリアするスイッチのようなものだと思う。

同じ場所でも光の入り方、季節や天候によって表情が変わる。今日と昨日とでは全く別の表情を見せてくれる時だってある。草木は常に成長するし、秋から冬にかけて枯れていく様子もまた美しい。自然を相手にしていると、被写体は無限にあると感じさせられる。

被写体は何だっていいし、散歩の途中でも公園の片隅でシャッターを切ってもいい。

ガードレール下で多種多様な植物に埋もれ生育する一種の雑草だって、いい光が当たる瞬間には輝きを放つ。自分もいつかは輝けるのではないかと、その光景に照らし合わせたりもする。

5年前まで一眼レフカメラとはどんなものなのかさえ知らなかった。カメラのキタムラの店員さんに勧められるがままにSonyα6000を買った。一眼レフカメラだと思って買ったがそれはミラーレスカメラだった。APS-Cであることはその1年後ぐらいに理解した。そのぐらいカメラに興味と知識がなかった私が、自然×カメラで非日常を手軽に体験できることを知ってからは手放すことのできない道具の一つとなっている。

私がカメラを持って出かける理由を語ってきたが、5年後にはどんな感覚で写真を撮っているだろうか。そしてどんな写真を撮っているのだろうか。その時がきたらまた自分の気持ちをまとめてみたい。

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