写真上達のために最適な撮影モードと言えば、
そう、マニュアルモードです
えっ??ってなった方はぜひこの記事を読んでみてください!
実は、マニュアルモードで練習すると、AモードやPモードで撮るよりも上達のスピードが速いんです!
というのも、マニュアルモードを使っていれば、必然的に『F値』『シャッタースピード』『ISO感度』の関係を覚えてしまうからです
慣れるまで少し苦労しますが、慣れてしまえばシチュエーションごとにAモード、シャッタースピード優先モード、フルオートモードの使い分けができて、効率よく撮影することができるようになります
カメラ初心者の方でもわかりやすいように説明していますので、ぜひこの記事を読んでマニュアルモードを練習してみてくださいね
マニュアルモードを練習すると、写真を撮りながら『F値』『シャッタースピード』『ISO感度』の関係が覚えられるのが良いですよね。頭ではなく体で覚える感覚です。失敗しながら覚えていきましょう!
この記事では、カメラの操作方法ではなく考え方を説明しています。カメラの操作方法がわからないときは、カメラメーカーのサイトで公開しているのでそちらをチェックしてください。
露出はF値とシャッタースピードで決まる
デジタルカメラでは、撮像センサーに適切な量の光を当てることでちょうどいい明るさの写真ができ上がります
適正な量の光をセンサーに当てるには、『絞り』と『シャッタースピード』を調整してあげる必要があるんですね
要するに、適切な露出になるようにマニュアルで絞りとシャッタースピードを設定すればいいわけです
露出は、絞りとシャッタースピードで決まる
絞りとシャッタースピードの関係を表に示すとこんな感じです
絞り値 | f/1.4 | f/2.8 | f/5.6 | f/11 | f/22 |
シャッタースピード | 1/1000 | 1/250 | 1/60 | 1/15 | 1/4 |
同じ露出にしたい時、F値を大きくすると(絞ると)シャッタースピードを遅くする必要があるし、F値を小さくすると(開放にする)早いシャッタースピードにする必要があります
F値とシャッタースピードにはそれぞれに特性があり、写真の出来栄えに大きくかかわってきます
思い通りの写真を撮るには、適正な露出にするだけではなく、どんな写真にしたいのかを考えながら絞りとシャッタースピードを設定することが重要です
この後に、絞りの特性、シャッタースピードの特性について説明しますのでぜひ読んでみてくださいね
F値の特性
光がレンズを通る量を調整するのが絞り
レンズの内部にある絞り羽で光の通り道を大きくしたり小さくしたりして光がレンズを通る量を調整しています
光の通り道を大きくすることを絞りを開放にする、小さくすることを絞りを絞るといいます
光の取り込む量
- 絞りを絞る→減る
- 絞りを開ける→増える
絞りはF値で表されます
F値は、f/2.8、f/4、f/13のように表され、カメラの設定画面では分母の数字のみが表示されていることになります
F値で被写界深度が変わる
絞りを変えることで、被写界深度を変えることができます
被写界深度とは、ピントが合っている範囲または深さのこと
F値を小さくすると(開放にすると)ピントの合う範囲は狭くなり、大きくすると(絞ると)その範囲は広くなります
被写界深度は・・
- F値を小さくすれば浅くなる→ピント位置以外がよりボケる・・被写界深度が浅い
- F値を大きくすれば深くなる→より多くの範囲にピントが合う・・被写界深度が深い
シャッタースピードの特性
光が届くのはシャッターが開いている時間だけ
シャッタースピードは、1″、0.5″、1/125(1秒、0.5秒、1/125秒)のように表します
シャッタースピードはその名の通り、イメージしやすいと思いますが、シャッターを開けている時間を意味します
撮像センサーにはシャッターが開いているときだけ、光が届きます
つまり、光を取り込む量はシャッタースピードが速ければ少なく、遅ければ多くなります
ミラーレス一眼カメラのシャッタースピードの速さの限界としては1/3200とか1/4000、遅さの限界については原理的には何分でも開けていられることになります
シャッタースピードで光の量をコントロールすると、暗い場所でも人の目でもはっきりと見えるような写真を撮ることができます
夜景や、星空撮影などで応用されていますね
夜景や、星空を撮るときはシャッタースピードを10秒~15秒ぐらいにして撮ります。暗い場所でも明るく撮ることができますが、ブレが生じます。シャッタースピードを遅くする場合は三脚でカメラを固定する必要があります。
- シャッタースピードを早くすると、光を取り込む量が少なくなるので画像は暗くなる
- シャッターを遅くすると、光をより多く取り込めるので画像は明るくなる
シャッタースピードと写り方
シャッタースピードが速ければ早いほど、一瞬の光を切り取ることができるため、ピタッと止まった写真が撮れます
例えば、走っている人や飛んでいる鳥をブレないように止めて撮るにはより速いシャッタースピードで撮る必要があります
逆に、シャッタースピードを遅くしていくと、動きがあるものはその動きが残像として写ります
ブレが起きやすくなるんですね
ただ、これらの特性を上手に利用した撮り方もありますよ
例えば『水』
シャッタースピードを速めて固形であるかのように写したり、逆にシャッタースピードを遅くして、糸のように写したりすることができます
水道水を試しに撮ってみると理解しやすいかもしれませんね
1/250sec f/2.8 ISO400
シャッタースピードを早くすることで、はじけた水がまるで固形のように写ります
0.4sec f/8.0 ISO100
- 遅いシャッタースピードで、流れ落ちる水を糸のように流して撮ることができる
- 三脚を使用することで動きのあるものだけがブレる
シャッタースピードの特性を応用すると
- 動いているものの一瞬を撮ることができる
- 動いている物の動きをブレで表現できる
川や滝、海といった水のある場面で、シャッタースピードを遅くした撮影が効果的です。
ISO感度で最終的な露出調整
ISO(アイエスオーまたはイソ)感度(またはISOスピード)とは、光に対する感度を数値で表したもの
デジタルカメラの場合は、レンズから取り込まれた光の増幅具合を’ISO100’、’ISO1200’というように
表します
『絞り』『シャッタースピード』を決めた時に、もっと明るくしたい、もっと暗くしたいというときにISO感度を上げたり下げたりして露出を調節することができます
主に、明るくしたい場面で使うことが多いと思います
ISO感度を上げることで明るい画像で撮ることができるのですごく便利な機能ですが、上げすぎるとノイズが出てくるので注意が必要です
ISO感度については、こちらの記事で詳しく解説していますので参考にしてください
設定のコツ
最初にF値を決めるのがスタンダード
絞りを決めてから露出を調整する設定方法は、スナップ撮影やポートレート撮影などで使えるスタンダードな手順です
実はやっていることはほぼAモードと同じ
ですが、
マニュアル設定をするメリットは、露出の調整で手振れしないシャッタースピードを決めることができること
少なくとも、簡単に手振れが起きない設定にすることができ、設定にかかる時間を格段に短縮することができます
手順は次の通りです
- F値パンフォーカス?orボケを作る?
全体がシャープな写真を撮るのか、またはボケを作って被写体を強調するのかを決める
- シャッタースピード手振れ大丈夫?
手振れしないシャッタースピードに設定
- ISO感度露出の調整
パンフォーカスで撮るなら、F値をf/11~f/13ぐらいまで上げて撮りますし、ボケを作るならボケの具合を見ながらf/4以下を目安に下げていきます
F値が決まったら、後は露出を調整するだけ
手振れが起きないシャッタースピードと、ISO感度で露出を調整してあげます
この時、ヒストグラムを確認しながら撮影すると白飛びや黒つぶれによる失敗を防ぐことができます
暗ければISO感度を上げますし、明るさが十分であれば低感度(ISO100~400)で撮影します
画質を下げたくない(ISO感度を上げたくない)ときは、シャッタースピードを下げる必要があります
そんな時は、三脚が必要です
マニュアル設定のメリットは、手振れしない設定を簡単に早くできることにあります。
手振れが心配な時はシャッタースピードに余裕を持たせて、画質を犠牲にしてでもISO感度を上げることもありますよ。
シャッタースピードの特性を生かしたいとき
川や、滝の撮影、早朝夕暮れ時などの薄暗い時間帯の撮影、スポーツ全般ではシャッタースピードの特性を生かした撮影をすることが重要になります
シャッタースピード優先モードとやっていることは似ています
マニュアル設定のメリットは、絞りを決めて露出調整を行えること
実はこの方法であれば、シャッタースピードに加えて絞りの特性も加えることができます
ただし、より考えることが多くなります
- シャッタースピード止める?流す?or暗い場所での撮影
動いているものを止めて撮るときは早く、流したいときは遅くする
明るく撮影したい場合は遅くする
- F値パンフォーカス?ボケを作る?or露出の調整
全体がシャープな写真を撮るのか、またはボケを作って被写体を強調するのかを決める
明るすぎる場合は絞る
- ISO感度露出の調整
動いているものを止めるためには、シャッタースピードを早くしますし、水の流れや雲を流したいときは遅くします
シャッタースピードが決まったらF値を決めます
F値の設定で考えることは3つ
- パンフォーカスにする?
- ボケを作る?
- 露出調整
これらをヒストグラムを確認しながら最終的な露出を調整していきます
『絞り』『シャッタースピード』『ISO感度』すべてのバランスを考える必要があるので、現場に行って撮影回数をこなしながらなれる必要があります
理屈を覚えたら練習あるのみ!!
早朝や夕方の風景撮影、星空撮影などの遅いシャッタースピードで撮影する必要がある場合は三脚が必須になります。
三脚をもっていくのを忘れると最悪なので気を付けましょうw
まとめ
- 露出はF値とシャッタースピードで決まる
- F値を大きくすれば全体をはっきりと写せるが暗くなるし、小さくするとボケやすく明るい画像になる
- シャッタースピードを早くすると暗くなるが動きの中の一瞬を撮れるし、遅くすると明るくなるがブレる
- マニュアルモードの設定は、最初にF値を決めるのがスタンダードな方法
マニュアルモードの練習が写真上達の近道だと思いますので、写真がうまくなりたい方はぜひチャレンジしてみてください!!
これでこの記事は終わりになります
このブログでは、
- カメラの基本
- 自然写真を上手に撮るコツ
- カメラや写真の楽しみ方
をまとめていますので他の記事もよろしくお願いいたします!
最後まで読んでいただきありがとうございました